不時着した楽園


刺さった棘は抜けないまま
僕の体の一部となった
そうやって溶け合っていく
許せないものに心を開き
自分の体内に取り込むだけだ
だって刺さったままじゃ
痛んで膿んで腐ってしまう

やむなく降りた土地で
君という楽園を見た
僕が瞼を閉じて深呼吸しても
消えたりしないでね
すっかり馴染んだ僕の隣から
居なくなったりしないでね

君に心を許した分だけ
僕は君に依存していく

拒むことはきっと
受け入れることより容易い
けれど、
誰かを許せばきっと
何かを許せばきっと
いまより生きやすくなる





08.02.20 *