鳥たちによる歓喜の歌


何が嬉しいのか
それさえ分からずに
ただ喜びのうたを歌う
悲しみで満ちた心に
嘘を刷り込みながら

本当の気持ちなど
己にしか分からないけれど
他人にしか気づけない
僕の本当の気持ちもある
曖昧さを明確にするのは
いつも他の誰かの言葉だ

君は常に不安定で
自分をさらけ出していた
僕は不安定さをひた隠し
絶望に怯えながら生きている
だから僕は君が嫌いだ
嫉妬からくる憎しみを
踏み台にして僕は唄う

歓喜のうたを歌っていれば
悲しさを喜びに書き換え
自分は楽しいのだと
錯覚できると信じていた
だから僕は喉が壊れるまで
歌い続けていたんだよ

鳥たちの歓喜の歌が聞こえる
彼らは本当に心から
喜びを歌っているのだろうか




08.02.21 *