青空から福音


見えない力があることなんて
僕はまだ知らなかった

手を伸ばしても届かない
もどかしさばかり抱えながら
上手く歩けていたあのころに
ひどく嫉妬していた

叫び続けて血の滲んだ喉
それでも止めなかった
けれど誰からも理解されなかった
いつからか誰も信じられなくなって
温かいものを拒み続けた
だって、
優しさは嘘の固まりだと
僕から離れていった人たちから
教わったんだ

捻じ伏せられた僕の言葉が
行き場を失って彷徨う
君の手を信じられずに
握れなかったあのころの僕を
君は笑って許してくれた

久しぶりに外に出ると
青空と君が迎えてくれた
僕は無罪だ




08.03.10 *