粉々にして、あたためて


壊してほしいと思えるほど
深く堕ちてしまいたい
あなたの腕の中で
小さく息づく私の呼吸は
いつも不規則で不安定だ

一層あなたと溶け合いたい
どうせいつか死ぬなら
あなたより先に還りたい
染み込ませて下さい
その綺麗な肉体に

爪を食い込ませるのは
私がここに存在していた証を
あなたに刻みたいからで
あなたが私を忘れないようにと
痛みを残すことしか
私には出来ないからだ
そういう歪んだ愛を
私は美しいと思う

あたためてほしい
そのひどくやさしい腕で
粉々に壊れた私を
またあの日と同じように





08.07.10 *